プログラマの転職
Webプログラマ業界は非常に転職が盛んです。 プログラマとして働くからには、いつか必ず転職を経験することになるでしょう。 いつその時が来ても良いように、普段から転職を意識して仕事するべきです。
なぜ転職するのか
転職する目的は第一にカネです。 Web業界は、SIerや他の製造業などと違い作ったからカネになる世界ではありません。 サービスがヒットしないと、給料が払えない可能性すらあるのです。 なので、年功序列のような自動で順調に給料がアップしていく仕組みは期待できません。 社内での昇給はそれほど期待できないので、給料を上げたければ転職するのは一般的な考え方です。
インターネットはもはや全人類が頻繁に利用する重要なインフラなので、 自社サービスがヒットしていないということは、ヒットしているサービスが他のどこかにあるということです。 そのような会社は急成長のまっただ中にいて常に人材不足、そのため高給でプログラマを集めようとするのです。 Web業界そのものが、Webプログラマ全体の労働力を、その時ヒットしているサービスに柔軟に分配する生き物だと言っても間違ってないかもしれません。
第二の目的は嫌になったからです。 Web業界はいつでも簡単に転職できるので、嫌になったから、他にやりたいことができたから転職するということはよくあります。 直接のきっかけとしてはこちらのほうが大きく、ストレスに対して給料が割に合わないと思ったら転職です。
なぜ転職しやすいか
基本的にプログラマは全体的に転職しやすいのですが、Web業界は特に転職しやすい業界です。 Web業界は、スキルのコモディティ化が徹底的に行われており、自社の独自技術を嫌います。 Webを構成する根本的な技術はRFCで公開され、 OSやミドルウェアやプログラミング言語はほぼすべてオープンソースであり、 あらゆる技術や知見はブログや勉強会を通じて会社の垣根なく共有されます。 仕事の進め方も共通化されており、社内独自のワークフローは悪とみなされます。
このような文化により、Webプログラマはいつどんなタイミングでも、他社に転職しても困らないのです。 流動性のない会社は常に世間から取り残され腐敗していくので、 雇う側としても外からの新鮮な空気を入れたいという需要があります。 このような理由からWebプログラマは転職しやすく、 会社は社員に転職されないために、労働環境整備や福利厚生など様々な優遇措置を講じるのです。 そのためWeb業界では労働者のほうが圧倒的に立場が強いのです。
どうやって転職するのか
Web業界で転職するためには、技術力を証明する必要があります。
大企業にいると、同僚が様々な会社に転職していくため、ほとんどのWeb企業とコネクションができます。 転職したいとtwitterでつぶやけば誰かに会社見学に誘われ、気に入ったら面接と続いていきます。 採用する側からも友達案件は実力が測りやすく重宝されます。 大企業でなくても、勉強会などでコネクションができていれば同じように転職できます。 ハッカソンなどの実力が問われるイベントなら特に効果的でしょう。
人間関係が苦手な場合は圧倒的な技術力で殴りましょう。 具体的にはライブラリをオープンソースで公開したり、技術ブログを公開しましょう。 喋れるなら勉強会に参加してセッションやLTで喋りましょう。 人間関係が苦手でも、相手が一方的にこちらを知っている状況は作れます。 それで十分です。
githubでコードを公開していると、転職エージェントからメールが来ることもあります。 今は転職を考えてなくても、将来のためにコネクションを持っておくと良いでしょう。 ただの人売りじゃないちゃんと技術を考慮してくれるエージェントを見つけておきましょう。
転職に対するイメージ
世の中の他の業界では、転職に対してかなりネガティブなイメージを持っているようですが、 Web業界では転職は当たり前であり、全くネガティブなイメージはありません。 同僚の立場としても、残念ではあるけど喜ばしいことと捉えるでしょう。
Web業界は非常に狭い業界で、交流も盛んなので勉強会などで頻繁に集まる機会があります。 今生の別れのようなことは起こりません。死にさえしなければ。 会社の繋がりより、一緒に働いた仲間という繋がりのほうが強固です。 これを「狭い業界だしずっと友達だよ」略して「狭業ズッ友」と呼びます。 そこから転じてズッ友といえば転職のことを言います。
Web業界では労働者が非常に強いので、前職に遠慮せずに全く同じジャンルの完全な競合他社に転職することも少なくありません。 昨日まで一緒に働いていた仲間が完全にライバルになるのです。 他の業界だと、恩を仇で返す的な印象を持たれ、関係性は最悪に、下手したら裁判沙汰になるような案件ですが、 こんな状況もWeb業界では悪いイメージは持たれません。 むしろチームにとってはどちらが沈んでも全員生き残れる良い戦略と認識されます。
Web業界以外の転職
いちおうWebプログラマ以外の業界も見てみましょう。
SIerは上位に行けば行くほど終身雇用です。 給料も良いので出る理由が特に無いのだろうと思います。 仕事内容ですら完全に独自文化に支配されていて、 スキルのみならず使う語彙まで他社とは互換性が無かったりします。 出世競争に敗れた人たちは、長く勤めたあと直系の子会社に出向したりするようです。
下位に関しては奴隷なので、転職活動をするための時間と体力を確保することがまず難しいでしょう。 そもそもそういう会社に間違っても入らないことが大事です。 退職してから転職活動しようにも、逃げることすらできないということもあるでしょう。 しかし、退職は労働者の権利なので、必ず退職できます。 余計な忠誠心や同情やサービス精神を発揮してはいけません。 ドライに退職しましょう。 退職するにも重要なのは先立つモノです。 勤めている会社が退職しづらそうと感じたら、無駄遣いせず何ヶ月か生きられる貯蓄を作るべきです。
中間層はコンサルと技術をバランスよく両立でき、技術的にも優秀な人も多く、転職はしやすそうに見えます。 というかWeb業界から見えるSI業界の人たちはこのあたりしかいません。 ちなみに、なれるSE!に登場するスルガシステム、業界の中では中の上くらいだと思います。
まとめ
転職しやすいプログラマになるには
特に普遍的なスキルを身に付けろ
コードを公開しろ
人脈を作るか一方的でいいから顔と名前を売れ
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